Aさんは自分で車を運転します。地元の自動車教習所を卒業して1年未満とという事で若葉マークと一緒に車椅子マークも一緒に後ろのガラスに張り付いています。
しかしAさんは若葉マークが取れる頃になっても自宅の近所や会社の往復程度で、もっか走行距離を伸ばす練習中だとか!? 兵庫県の工場に入社したAKさんは「電車を使うと乗り換えで沢山の人の手を煩わせすのが嫌で全国何処でも車でいってしまう」と言う人も居るわけで人それぞれですね。
私たちが自動車免許を取ろうと思えば自動車教習所へ直接出向きお金を払えば即日入校。お金を払ったお客さんという扱いは受けないにしても実力と運で卒業する事が出来ます。ところがAさんのように障害を持った人の場合は県の免許センターへ出向き判定を受けるのだそうです。さらに過去に発作を起こすような病気を持っているときは事前に医師の診断書が必要なのだそうです。
判定では足や足首が動くか?腕や握力が適正か?など調べた後に係官との面接で通常のオートマチック車か改造を施した手動式と呼ばれる車を選ぶことになるそうです。Aさんは判定の結果通常のオートマチック車が運転できることになり、その結果をもって自動車教習所に入校したのだそうです。
ちなみにAKさんは足の踏み換えスピードや足首の動きからオートマチック車を改造した手動式という限定免許を持っています。その車を見せてもらったのですが、オートマチック車のレバーの隣にもう1つレバーが付いています。そのレバーはブレーキペダルとアクセルの両方に連結されていて前に押すとブレーキ、手前に引くとアクセルが動くようになっています。
日本の中で改造に必要な部品を作っているのは2社で改造には約20万円かかるそうです。「2社しか無いのでは車の改造の度に運ぶのが大変だろう」と質問したところ、自動車整備工場へ持っていけばだいたい何処でも改造はやってくれるそうです。身体障害者のための改装を施しても88ナンバーの改造車の扱いにはならないそうで、国が早くから理解を示したくれている1つだそうです。
この日は野田自動車教習所へ手動式の車を見せてもらいにでかけました。野田市の社会福祉協議会から借り受けている車で、様々な障害に対応できるように、アクセル、ブレーキ、ハンドル、方向指示器やワイパー、クラクションなどが様々な形で操作できるように改造されています。
所長さんに実際運転出来ないかとお願いしてみましたが、やはり慣れていない人がいきなり操作するのは危険だと言うことで、クリーピング現象で直進するだけならば良いとお許しを頂きました。
実際運転席に座ってみるとコラムから大きなレバーが出ていて、足元に幾つかペダルがある事以外は普通のオートマチック車でした。「はい、車に乗る前に後方確認」「シートベルトしめて」「発信前に後方確認」とAさん達のヤジの中、車を3メーターほど前進させてこの日の体験試乗は終わりました。
フレーム表示に戻す