朝から寒い日曜日布団の中でくすぶっていたら、Aさんから「市役所でミニ演奏会をやっているから来ませんか?」とお誘いを受けました。突然のお誘いにビックリしながらも慌てて着替えて駆けつけると、顔見知りも演奏に参加していたので隅っこでしばし拝聴。
聞きながら何故か車椅子のレクチャーになりました。Aさんの車椅子はオーダーメードで作ってもらったのだそうで、会社に1台、外で使う為に1台の合計2台を持っています。外で使うものは車への積み込みを考えて後輪の2つがワンタッチで取り外せるようになっているのだそうですが、特注で追加した機能のわりにはあまり使っていないそうです。
話をしているうちに試しに乗ってみませんか?と言われて思わず「え?!」何事にも経験ですからとのお言葉に甘えて拝借。沢山の人の目があって1人で走り回るのは恥ずかしかったのですが、持ち前の図々しさでホールをウロチョロ。
前進しながら片側の車輪に加える力を加減すると曲がってくれるし、左右の車輪を逆に回せばその場で旋回も出来ました。ところがバックしながら曲がろうとするととっさにどちらの車輪にブレーキをかければいいのか解らなくなってしまい、フラフラと挙動が怪しくなってしまう。なにより姿勢が悪いのか、要領がつかめていないせいかすぐに腰が痛くなってきました。会社でAさんが華麗に?走らせている姿から比べたらさぞかし下手くそなのだろうと思いながら、不思議そうな顔をした守衛さんの脇を通ってそのまま外へ。段差がどのように影響するのか前から試してみたかったのです。
これが1人では絶対上れない。前向きに上ろうと試みても前輪が引っかかって全く上がれない。では大きな車輪を使ってバックで挑戦すると、車輪は上れるものの前輪を引き上げようとしたところで後輪がスリップして上がらない。しばらくジタバタしてみたものの自己流では不可能でした。
Aさんがやると器用に前輪を浮かせてそのままストン。テレビなどでも器用に段差を乗り越えている人を見たことがありますのできっと熟練が必要なのでしょう。
次に途中で傾斜が変化しているところでチョット勢いを付けたところ前輪が浮き上がって危なく後ろ側に倒れるところでした。スロープでは重心を前にかけないと危ないようです。
さらに急で長いスロープに挑戦しました。急と言っても歩いて登る分にはまったく負担を感じる坂ではありません。ところが途中まで登ると結構自分の体重で車椅子が後ろへさがろうとする力を強く感じ始めて、真剣にこがないと前に進みません。すすまないどころかちょっと力を抜くと後ろへ下がりだしてしまいます。
私は腕の力も握力も問題なのですが、障害で握力が無ければせっかくのスロープも単なる坂道になってしまうことでしょう。
Aさんによると、扉を通過する時は車輪に手をかけずに、左右の扉に両手をかけ、引き寄せるように通過しないと本当に怪我をするそうです。